立入禁止だった堤防で釣りをしてみると…

 トライアル釣行初日。

釣り利用トライアル当日

 松崎新港が立入禁止になる前に通っていた常連の方や、私のようにここで初めて釣りをする方々、総勢40名が集まり、長らく手つかずの釣り場に胸を膨らませていた。

松崎新港の全景

 まずは主催の株式会社ウミゴー代表國村大喜さんから釣り利用トライアルの趣旨と注意事項が伝えられる。続けて釣り座の抽選が始まった。

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 比較的くじ運がいいと自負する私だが、抽選ではなんと下から4番目……。

 堤防に上がってみると思っていたよりも広く、外側から内側まで含めると悠に50~60人は収容できるキャパがある。しかし今回の参加者は皆が回遊魚狙いで外側に陣取っており、内側にはほぼ誰も入らないという状況。

皆目指すはより先端!

 ひとまず私は堤防の付け根辺りに釣り座を構えることにした。

 準備中、スタッフさんから根魚が釣れだしたとの情報が。すぐさま仕掛けを組み、堤防内側の基礎周りでカサゴを狙ってみる。

 すると……1投目からウキに反応があり、良型のカサゴをゲット!

カサゴ

 場所を変えるとまたすぐに釣れる。伊豆エリアで実績のあるアカハタも期待したが、釣れるのは全てカサゴだった。それでも2時間で10匹ほど良型のカサゴが釣り上がるのだから満足だ。

 そして、大物狙いのカゴ釣りで底付近を狙っていると……クロダイだ!

クロダイ

 続けて仕掛けを投げ込んだところ……竿がぶち曲がる! 「いったいなんなんだ?」周囲の注目を一身に集めていると、恐らく今回のトライアル一番の大物だったであろうアカエイが釣れた。魚体が見えた途端に群衆は解散していき、どこか申し訳ない気持ちになる。これがマダイだったらなぁ……。

堤防の内側で“大物”が釣れた

 まだ水温が低く、青物といった回遊魚の反応は薄かったが、運営によると堤防全体ではアカハタやマダイ、メジナなど、それぞれの釣り方で楽しめるだけの釣果が上がったみたいだ。

トライアル当日は松崎町の名物桜葉とマダイの炊き込みおにぎりとあら汁が昼食に振る舞われた

 15年間手つかずというだけあって根魚の反応が抜群に良い。かつて関東のとある緑地公園がオープンし、根魚が釣れると知れわたるや数日で枯渇したという話があったが、今回の釣りトライアルでは、キープできるカサゴは20cm以上2匹までと決まっている。魚のサイズ制限を設けることで海洋資源の乱獲を防いでいるわけだ。釣り場を管理することは生態系を守ることにも繋がる。