かつてヒロインを務めた2001年度後期の「ほんまもん」(NHK)以来、24年ぶりに朝ドラに帰ってきた池脇千鶴さんは、実に自然体な母として、ヒロインの母・松野フミ役を好演しています。
池脇さんといえば、1990年代末から2000年代前半のブレイク当時と比べた体型やイメージの激変ぶりが話題になった時期もありましたが、彼女が「ばけばけ」で見せる演技や、芯のある役者観を掘り下げたいと思います。
ふっくらとした手が話題に…“リアルな母親像”
1981年11月21日生まれで現在43歳の池脇さん。15歳だった1997年に8代目「三井のリハウスガール」に選ばれ芸能界デビュー。1999年の主演映画『大阪物語』で映画界に進出し、2001年には「ほんまもん」で朝ドラヒロインの座を射止めたこともあり、当時を代表する清純派女優のひとりでした。
「ばけばけ」は小泉セツと八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻がモデルのドラマ。松江(島根県)を舞台に、怪談を愛する明治時代の夫婦のなにげない日常を描いていくストーリーで、髙石あかりさんが民話や昔話などを聞くのが大好きな松野トキを演じています。
池脇さん演じるトキの母・フミは、出雲大社の上官の家で育った女性で、神々や霊といった目に見えないものたちの話に詳しく、フミはよくトキに怪談を話していました。トキの幸せを誰よりも願うやさしいしっかり者で、家庭を明るくするために冗談も飛ばします。
あるときは涙を流すトキを抱きしめるフミのふっくらとした手が話題に。現在の池脇さんは、リアルな母親役を演じられることが個性であり、強みとなっているのです。




