「おトキー!」目を潤ませた池脇千鶴のくちびるには…
第20話(第4週)で印象的だったのは、出ていった最初の夫・銀二郎(寛一郎)を連れ帰るために単身上京していたトキが、けっきょく1人で松江に戻ってきたシーン。
「おトキー!」と駆け寄って抱きしめるフミのくちびるの上にはあるものが……。その正体は“牛乳ヒゲ”でした。笑いと涙が交じり合った感動の再会となったのです。
トキとフミは実の親子ではないことはすでに明かされていましたが、フミがどれだけ愛情を注いでいたか、トキを抱きしめた際の池脇さんの目を潤ませた表情によって瞬時にわかるような演出。
フミがなんでも受け止めてくれそうな“日本のおっかさん”といった佇まいを漂わせ、「ばけばけ」に安心感を与えているのは現在の池脇さんが演じているからでしょう。
「かっこよく見せようとか、可愛く見せようと思ったこともない」
池脇さんはどのようにして、リアルで自然体な40代女性を演じる境地に辿り着いたのでしょうか。
池脇さんが2021年1月期ドラマ「その女、ジルバ」(フジテレビ系)に主演した際は、「激変」したことが話題に。「SPUR」(2021年7月号)のインタビューで、「昔から年齢を気にしたことがない」「美しくありたいと思ったことがない」と話したうえで、次のように語っていたのです。
「もともと地味というか、インドア派で、華やかな世界への憧れもない。美魔女になりたいとも思わないし、エステにも行ったことないし。自分らしく手抜きでいいやっていうか。それくらいのほうが私としては生きやすいんです」
別のインタビューでも、当時発売した写真集の話題のなかで、「もともと写真を撮られるのは苦手なんです。かっこよく見せようとか、可愛く見せようと思ったこともない」(「婦人公論」2003年1月7日号)と明かしていました。




