朝ドラことNHK連続テレビ小説『ばけばけ』で、ヒロイン・松野トキ(髙石あかり)の幼なじみで親友のサワを好演している円井わんが脚光を浴びている。
本作は怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描いた物語で、2025年9月末に幕を開けた。前半戦では物語の主役であるトキとヘブン(トミー・バストウ)が互いへの気持ちを確かめ合うところまでが描写され、年明けの放送からは晴れて夫婦に。
残り2カ月は、2人が自分たちの心を繋いでくれた怪談の魅力を世に広めていく展開になるのではないだろうか。
「一見するとドライ」なトキとサワの友情
脚本家のふじきみつ彦は番組の制作発表時、「何も起きない物語を書いています」とコメントしていたが、トキのモデルになった明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻である小泉セツは波乱万丈な人。
ゆえに蓋を開けてみると想像以上に色んなことが起きているが、劇的に見せないことに長けており、良い意味でくだらない登場人物のやりとりと丁寧な心情描写によって、大きなトピックもあくまで日常の延長線上で起きた出来事として映る。
キャラクターも個性的ではあるが、浮世離れはしていない。完全な善人も悪人も存在せず、それぞれが美点と欠けたところを持っていて、どこか身近に感じる人ばかりだ。特に多くの視聴者が共感を寄せているのがサワである。
元下級武士の娘で、幼い頃から貧しかったサワ。粗末な長屋を脱出するべく、病弱な母を看病しながら小学校の正規教員を目指しており、同じく長屋暮らしのトキとは傷を舐め合って生きてきた。
円井が演じるサワには、長年連れ添ってきた友人としてのリアリティがある。2人は決して「私たち、友達だよね」と確認し合うようなウェットな関係ではないし、サワのトキに対する態度も一見するとドライだ。だけど、トキのことを気にかけていないわけではない。
サワの心根の優しさは、第3週のエピソードで多くの人が知るところになった。


