NHK連続テレビ小説の第113作『ばけばけ』が9月29日より放送開始となった。本作は、松江の士族の娘・小泉セツと、その夫で作家の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描く物語。主演映画『ベイビーわるきゅーれ』でブレイクを果たした髙石あかりが、ヒロインの松野トキを演じている。
脇を固めるキャストも実に豪華だが、とりわけ話題を集めているのはトキの母・フミを演じる池脇千鶴だ。初回の放送では、池脇のある体のパーツが注目された。
朝ドラ視聴者が絶賛した「おっかさんの手」
舞台は明治初期。元武士たちが髷を落として新しい仕事を見つけていくなか、松江藩の上級武士だったトキの父・司之介(岡部たかし)は時代についていけず、無職生活を続けていた。そんな父を学校でバカにされ、「父上は何も悪くないんだよね?」と涙を流すトキに、フミが「悪くないよ、一つも」と寄り添う。
そこでクローズアップされたのが、トキを優しく抱きしめる手。ふっくらとした厚みのある池脇の手が、SNS上で「なんて温かい手!」「手のお肉がすごくいい」「おっかさんの手で涙出たわ」と話題になった。手だけではなく、表情や佇まいなど、そのすべてで子を持つ中年女性の役に説得力をもたせる池脇の存在感に多くの人が圧倒されている。
15歳で芸能界デビュー→22歳で挑んだ“濡れ場”
池脇は15歳の時、オーディション番組で映画監督の市川準に見出され、CM『三井のリハウス』の8代目リハウスガールとして芸能界デビュー。1999年には市川監督の『大阪物語』で映画初出演を果たし、日本アカデミー賞ほか数々の映画賞の新人賞を総なめに。飛ぶ鳥を落とす勢いで、2001年にはNHK連続テレビ小説『ほんまもん』で当時歴代最多となる応募者2541人の中からヒロイン役を勝ち取った。
そんな池脇の女優としての地位を確固たるものにしたのが、2003年の映画『ジョゼと虎と魚たち』だ。奇しくも『ばけばけ』の池脇と『あんぱん』の妻夫木聡という朝ドラで改めて注目される2人が主演を務めた作品で、足の不自由な少女・ジョゼと平凡な大学生・恒夫の切ない恋の行方を描いた。



