熟練の“ハンガー職人”による「わずか10秒」一連の動作
「ハンガーにかけながら目視でユニフォームの状態を確認するので、ここだけは機械化できないんです」
生産本部 生産管理部の久慈琢也工場長はそう説明する。
熟練の従業員たちは、“ハンガー職人”と呼ばれているそうだ。次々とユニフォームをレーンにかけているが、焦りのない表情で淡々とこなしているように見える。袖を整え、襟を直し、ファスナーを閉じるという一連の動作を、わずか10秒でこなす速さは、まるでスポーツ競技のようで、思わず目を奪われる。
「やってみますか?」
と声をかけてもらい、筆者もハンガーかけ体験に挑戦してみたが、たった3枚のユニフォームをハンガーにかけるのに2分近くかかってしまった。職人の技には到底及ばない。
これを、自然なフォームでリズミカルにこなしてしまう職人たちの姿に、ウェアラという企業の強みが垣間見えた気がした。
「働きやすい未来を提供していきたい」
ウェアラは創業以来、37期連続増収、契約継続率98%という驚異の数字を達成している。
「私たちの仕事は、単純に服を洗って貸すだけではありません。ユニフォームレンタルというサービスを通して、働きやすい未来を提供していきたいと考えています」
そう語るのは、ウェアラの代表取締役、林達宏さんだ。同社のユニフォームレンタルは、貸与にとどまらず、企画・クリーニング・メンテナンス・配送・回収までを一括で担っている。清潔さを取り戻したユニフォームは、ルート営業の手によって仕事の“相棒”の元へと戻り、また新しい任務に向き合う。
ウェアラはユニフォームレンタルサービスによって、従業員が自宅に持ち帰って行う“見えない家事”の削減を目指している。たとえば食品工場の従業員がユニフォームを週2回洗えば、年間104時間、つまり丸4日を洗濯に費やすことになる。油汚れは家庭の洗濯機では落ちにくく、他の衣類と分けて洗うため時間も手間もかかる。
「持ち帰り作業を減らすことで、自由に使える時間が生まれます。こうして生まれる“手取り時間”こそ、働きやすさを支える新しい指標といえるのではないでしょうか」(林さん)
