10月28日、元宝塚歌劇団星組トップ・礼真琴が、株式会社CULENに所属することが事務所のHPで発表された。女性アーティストは同事務所初。今夏には日本初演のミュージカル『バーレスク』の主演を務めることもあわせて発表された。一体、どのような理由で元SMAPメンバーが所属する事務所に“合流”することになったのか。「週刊文春」の記事を再公開する(初出:2025年10月5日配信「週刊文春 電子版」。肩書、年齢は当時のまま)

「明日からの自分自身、朝起きたら髪が伸びるわけでもないし、このたくましい筋肉がなくなるわけでもない(笑)。女性初心者として、どう生きていくかっていうところから、向き合わなきゃいけないなと」

 宝塚歌劇団・星組前トップスターの(れい)()(こと)。今年8月の退団会見で、約17年間“男”として生きてきたスターならではのジョークを飛ばし、宝塚を去った。

宝塚大劇場 ©︎文藝春秋

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“50年に1人の逸材”と呼ばれたスター

 2009年に宝塚音楽学校を首席で卒業した礼は、入団11年目で星組トップスターに就任した。

「変幻自在の歌声にキレキレのダンス。そして芝居も抜群にうまい。『50年に1人の逸材』と言われる不世出のスターです。礼主演公演のチケットは毎回入手困難でプラチナ化していました」(演劇ライター)

歌劇団95期生の礼

 トップ在任は約6年間の長期にわたった。8月の退団公演直後は「もう(舞台を)やりたくない」と、周囲にこぼしていたという。

「実力は折り紙付きなだけに演出家たちは高難度の演目を任せてしまう。年間4〜5公演で主役を務めるなど、劇団に酷使され続けました。退団して久しぶりにまとまった休みを取れ、海外旅行でリフレッシュできたそうです」(礼と親交のある宝塚ファン)

 礼の夢は、ミュージカル女優になることだという。

「まずは名前を売るために宝塚に入った。ここからが彼女の本番です」(同前)

大手事務所からのオファーは受けず

 トップスターの場合、退団を発表してから実際に退団するまで1年近く時間が空く。この間に大手芸能事務所による争奪戦が水面下で繰り広げられ、退団する頃には次の所属先が内定しているという。ところが、

「新天地探しは退団後も難航しました。複数の大手事務所から熱心に声をかけられるも、『(元宝塚の)先輩が所属する事務所は避けたい』との理由から断っていました」(同前)

 退団から2カ月――。礼の合流先は“意外なところ”だった。