――主人公らが花火を作っているシーンがありますが、火薬は本物ですか?

小島 全部本物です。一度美術担当に模型を作ってもらったのですが、どうしても質感が違う。花火師さんからも「映画に映るなら本物じゃないと」と言われ、安全面をクリアした上で使わせていただきました。

 火薬工場は、安全管理がとても厳しく、たとえばスマートフォンのリチウム電池の発火が懸念されるので、特定の機種以外は持ち込めないんです。そうしたすごく細かい安全基準をクリアして、慎重に撮影しました。

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海外で活動する自衛官を初めてフィクションで描く

――プロデューサーとしては、この作品で苦労された点はどこですか?

成宏基エグゼクティブプロデューサー(以下、成) 話のスケールと予算のギャップが、もともと大きかったことですね。シナリオを読んで、これをどう実現していくのか、という点が準備中に一番悩みました。銃撃戦と花火が入り乱れているような作品ですから、最初は映画化は無理だと思いました。でも、本質は人間ドラマですし、監督や出演者たちが新潟の皆さんとの協力を取り付けてきてくれた。その努力の積み上げを見て、できるかもしれない、と思いました。

 商業映画ではありますが、体制的には半分自主映画のような体制で、チームの結束力があったから乗り越えられた部分があります。完全な商業体制では、この意思決定の速さや動き方はできなかったと思います。

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――冒頭の南スーダンのシークエンスはリアルですごいですね。

 あそこが一番頭が痛かったんです。最初、ロケ地を沖縄や北海道、千葉など色々検討したのですが、難しくて。そんな時、スタッフのひとりが「タイでアフリカのシーンを撮ったことがあるらしい」と聞いてきた。ヒントはそれだけだったのですが、たまたま釜山国際映画祭で会ったタイのプロデューサーに声をかけたら、「こないだ撮ったよ」と(笑)。すぐに見せてもらった写真で「いけるな」と思い、最小限の体制でタイに行って撮影しました。

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