「虐待が終わると思ってた?」

奈緒「警察が介入してくれると思いませんでした」

検察「止めても止めても、また繰り返す。虐待が終わると思ってた?」

奈緒「古賀をなだめて説得していけば……」

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検察「栄養が足りなくなって弱っているわけでしょ。何とかしてあげなきゃという気持ちは?」

奈緒「偏っていることは分かっていましたけど、古賀の暴力をエスカレートさせるよりはいいと思っていました」

検察「古賀の家から逃げるとか、身を挺してでも止めるとか考えなかった?」

奈緒「連れ出したところで頼るところがなかったので……」

 奈緒は途中で泣き出したが、裁判員や裁判官からも厳しい質問を浴びた。それでも最も怒っていたのは京子ちゃんの父である、奈緒の前夫の佐野だった。遺族の意見陳述では辛辣な言葉を述べた。