娘を殺された前夫の言葉「できるだけ厳しい判決を」
「虐待がバレたら自分がどうなるかを考えていただけやろ。下着と間違えるほどの青いアザって、どんな暴力を振るっていたんや。お前らの幼稚な考えには反吐が出る。ガソリンで燃やして虐待の痕跡を隠すだと。いい加減にしろ。無理にでも京子を引き取ればよかった。京子が行方不明になって、自分も気が気ではなかったし、親族たちも探し回った。皆ができることをやってくれた。お前らが犯人と推測することは警察に止められた。
京子が戻ってくることを望んでいたのに、最悪の結果になった。子どもたちがどれだけ泣いていたと思う。京子のケーキ屋さんになりたいという夢は、しつけという名の虐待で幕を下ろした。奈緒、お前のことは京子を心配してくれた人たちが絶対に許さないと言っている。裁判官や裁判員の皆さん、被告人が反省しているからといって、罪を軽くする必要はありません。京子がどれぐらい辛い思いをしたのかを考えてほしい。たとえ極刑でも心が晴れることはないが、できるだけ厳しい判決を下してください」
裁判所は「実母として内縁の夫を止める立場だった被告人が同調したことで、虐待が助長された。虐待の発覚を恐れ、自分の居場所を優先した自己中心的で身勝手な動機に酌量すべき点はまったくない」と断罪し、奈緒に懲役8年6カ月を言い渡した(控訴棄却)。
古賀も控訴審まで争ったが、「死因は衰弱死。顔や足が腫れ上がるほど殴打し、極めて少量の食事しか与えないなど、人格を顧みない陰湿で悪質な犯行だ。玄関やベランダで寝かせるなどの虐待が衰弱死の理由とした1審判決は妥当である」として、懲役12年が確定することになった。なお、子分の森本は執行猶予付きの有罪判決を言い渡されて釈放された。
京子ちゃんが亡くなる直前、古賀に声をかけられ、ベランダで横たわったまま返した言葉は「ひまわりを探している」だった。
