結局、捜索隊が3人の遺体を発見したのは、墜落現場から数百メートル離れた場所だった。野生動物、恐らくヒグマによって、ヘリの残骸から引きずり出されたと考えられた。遺体は激しく食害されており、骨格が露出していたという報道もある。

3人の正確な死因ははっきりしないが、ヘリの墜落で死亡し、その後、死体を食害されたという見立ての報道が多い。ただ、墜落時には亡くなっておらず、重傷を負って動けないところにヒグマの襲撃を受けた可能性も十分考えられる。遺体が焼けていたという報道がないところを見ると、墜落後に自力で脱出した可能性も考えられるだろう。

「極地ツアー」の事故が相次いでいる

近年、南極や高地、離島といった、通常なら到達困難な地域への高額なツアーが提供され、富裕層を中心に人気を集めている。こうしたツアーはエクスペディションツアーと呼ばれ、旅行客のニーズにあわせてプランを組んでくれるほか、専門のガイドが同行し、アウトドア初心者でも安心なように設計されている。

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2021年に米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏や、ZOZO創業者の前澤友作氏が宇宙旅行に行ったのも、こうしたツアーの一種と言えるかもしれない。

一方、エクスペディションツアーでは専門ガイドが同行するなど、安全性に配慮がなされているものの、大自然を旅する以上、一定のリスクがともなうのも事実だ。

実際、近年、こうしたツアーの事故も相次いでいる。

2019年にはガラパゴス諸島において、旅客船GALAPAGOS MAJESTIC号が座礁、転覆する事故が発生。乗客26人は救助されている。

2023年にはグリーンランド東部で、クルーズ船のオーシャン・エクスプローラー号がやはり座礁。乗員乗客合わせて206人が乗っていたが、全員無事だった。

日本でも2022年に知床遊覧船の沈没事故が発生し、乗員・乗客あわせて26人全員が死亡するという大惨事となった。その後、遊覧船の運営会社のずさんな体制が明らかになり、多くの批判が集まったことも記憶に新しい。