2/3ページ目
この記事を1ページ目から読む
売人だけでも数十人が上野や浅草に存在
最後に、上野や浅草にどのぐらい売人がいるのかと筆者が問うと、T氏は以下のように答えた。
「知っている仲間内だけで20~30人はいる。俺らと関係のない外国人なんかの売人も、詳しくはわからないが、それ以上の数がいるはずだ」
T氏のスマホに入っていた、秘匿性が高いとされるチャットアプリを見せてもらうと、20~30人程度の人数が登録されていた。それらの仲間が注文を受け、持ち合わせがない場合や、近くにいない場合には臨機応変に協力し、違法薬物を客先まで運ぶのだという。
ダメ元でタクシーを使ったもの以外の売買方法について尋ねると、「今はもうやっていない方法なら」と前置きしつつ、T氏は明かしてくれた。
「仲間のひとりが上野から首都高に乗ってずっと走り回り、客と路側帯などで接触して売買を行っていた時期もあった。当然、持ち合わせは少なくなるから。仲間が同じように車やバイクで届け、路側帯で渡して現物を補充する。あの頃は大麻と覚醒剤の割合は半々くらいだったかな。でも今は首都高の取り締まりが厳しくなって、逮捕者も出ちゃったから、この方法はやめた」
