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このままでは親子共倒れ。施設への入居
転機が訪れたのは、介護生活を始めてから7年間が過ぎたあたりです。
区の福祉のほうからこのままでは親子共倒れになるとの判断で、母は施設(公営の特別養護老人ホーム)に入所することを勧められます。
当然、僕の手から離れることになるのですが、今の母の状態だと僕が元気なうちに入居の決断をした方が良いとのことでした。
〈確かに今の生活を続けても、いつか破綻するだろうし…〉
とはいってもすぐには空きがなく、方法としては母の要介護度(介護が必要な指標。八段階ある)が上がっているので、
(1)まずはショートステイ(二週間の短期的な入所)で施設に入る
(2)その後はショートステイを数珠つなげにして、長期にわたって施設に滞在する
(3)空きができ次第、正式に特別養護老人ホームに入居させる
というものでした。本書のテーマとは無関係なので詳細は割愛しますが、ショートステイによって施設への入居実績を作り、老人ホームに入所しやすくするやり方です。
「今は入居希望者が多いので、こうした裏技を使わないと、入ることができないんですよ。むろん合法的なものなので、ご安心ください」