MBTI、フッ軽、怒られが発生…元号が令和となってから流行した新語はその後定着し、今や若者に限らず使われるケースが増えてきました。新語に込められた真のニュアンスや流行した背景などを解説する連載が「令和新語採集」です。筆者は数々の書籍がベストセラーとなっている文芸評論家の三宅香帆さん。流行語から見えてくる若者のマインドや社会環境の変化とは…? 今年9月にスタートした好評連載をまとめました。
【MBTI】|三宅香帆の令和新語採集
若者のあいだでMBTIが流行している。という話を飲み会ですることが増えた。 大人たちが「これ若者の間で流行ってるらしいよ」とか言い始めたらもうその流行も終わりを迎えているような気もするが、それにして…

【フッ軽】|三宅香帆の令和新語採集
なんの略かといえば「フットワークが軽い」のことである。 なんだよフットワークならわかるよフットワークって言えよ、と文春読者の皆様は思われたかもしれない。フットワークが軽い、なら令和以前から使用されて…

【ピキる】|三宅香帆の令和新語採集《新連載》
齋藤孝さんの『子どもたちはなぜキレるのか』(ちくま新書)刊行が1999年、平成11年だった。最近の子どもたちは荒れるむかつくを越えてすぐ「キレる」ようになった、と主張する本である。あれから時代は移り…

【怒られが発生】|三宅香帆の令和新語採集
「怒られが発生」。なんと無責任な言葉かと笑ってしまう人もいるかもしれない。怒られた、ではなく「怒られが発生した」という言い方が、ここ10年でインターネットを中心に広まっている。 たとえばYouTub…

【課金】|三宅香帆の令和新語採集
今年の文化庁国語世論調査によれば、「課金する」を「インターネットの有料サービスを利用する」という意味で使っている人は46.2%に及ぶらしい。 もともと課金とは、「料金を負わせること」(広辞苑)。よう…

【盛れる】|三宅香帆の令和新語採集
容姿をめぐる言葉ほど、時代を反映するものもない。ハンサム、二枚目、貴公子、イケメン。美人、マドンナ、小悪魔、美少女。時代によって美しい姿は少しずつ変わる。キャラクター性を含めた、さまざまな美しい容姿…

(みやけかほ/1994年生まれ、高知県出身。文芸評論家。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で新書大賞2025受賞。他の著書に『「好き」を言語化する技術』等。)