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「暗殺」がある国のブラックジョーク

 2006年、以前からプーチンを批判していたロシア連邦保安局の元幹部、リトビネンコが、放射性物質「ポロニウム210」入りの紅茶を飲み、ロンドンで死亡した。

 2013年、同じくプーチンに批判的だった大富豪、ベレゾフスキーがロンドンの自宅のバスルームで死亡しているのが発見された。

 いずれも「暗殺」の可能性が疑われている。

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©AFLO

 2018年3月には、イギリス在住の元ロシア情報機関員、セルゲイ・スクリパリとその娘が、毒物によって襲われ意識不明の重体に。スクリパリは2006年、英情報部MI6に機密情報を流していた罪によりロシアで有罪判決を受けたが、スパイ交換によって釈放され、2010年から亡命者としてイギリスで暮らしていた。

 犯行に使われた毒物は「ノビチョク」という神経剤で、これは旧ソ連が冷戦下において独自に開発した化学兵器。ジョンソン英外相は、

「プーチン露大統領が決断した可能性が非常に高い」

 と明言した。

 これに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官は、

「ロシアは事件に関係なく、我々の大統領に言及することは不快で許し難い」

 と反論。しかし、「謀は密なるを良しとす」というわけで真実は闇の中。スパイ小説さながらの話である。

●幸福感
 各国の人々が、最も幸福感を味わう瞬間とは?
イタリア人「これから食事を始めようという時」
フランス人「これから愛人と共に一夜を過ごそうという時」
ロシア人「ロシアのスパイが亡命先の自宅にまでやってきたので、やむなく名前を言ったら、『人違いでした』と言って彼らが去っていった時」

世界はジョークで出来ている (文春新書)

早坂 隆(著)

文藝春秋
2018年6月20日 発売

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