『R-1グランプリ2022』で優勝して以来、数多くのバラエティ番組に出演しているお見送り芸人しんいち。彼の初めての著書『嫌われ者って金になる!』(徳間書店)では、そんな彼の処世術が赤裸々に語られている。
女性にだらしなくすぐに悪態をつくヒールキャラとして知られる彼は、「7股騒動」や「芸歴詐称疑惑」など炎上を数えきれないほど経験している。なぜそれほど嫌われながら順調に仕事を増やすことができているのか。
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――SNSなどで自分が悪く書かれているのを見ると傷ついてしまう芸能人の方も多いようですが、しんいちさんは全く気にならないそうですね。
しんいち 芸人はクリエイターみたいな人が多いから「これ書いてるやつ、わかってねえな」とか思うんでしょうね。僕は基本的にどんなことを書かれていても嬉しいんです。たとえ悪口だとしても、それを書くためにその人がしんいちのことを一回ちゃんと見てくれたわけじゃないですか。それだけでもう嬉しいという感情しかない。
――悪口でも嬉しいんですか。
しんいち そうですね。こんな金髪で明るい感じでやってますけど、僕もう40なんですよ。『R-1』で優勝するまでずっと日の当たらない場所にいたので、どんなことでも自分の話をしてくれているだけで嬉しいんです。
R-1優勝後には「スベってるとかおもんないとか叩かれて」
――下積み時代の誰からも知られていないときの方が苦しかった?
しんいち そうなんですよ。だから、悪口言われてもいいから前に出たいとか、カメラに映っときたいという感覚になっちゃうんです。昔、テレビでお天気ニュースをやっているときに、キャスターの後ろでピースしてる一般人がいたじゃないですか。僕はそれと一緒のマインドなんです。ただ映りたいだけ。自分でもめちゃくちゃ素人やと思います。
――しんいちさんは『R-1』で優勝してからお仕事が増えていったと思いますが、その頃からずっとそんな前向きな考えだったんでしょうか。
しんいち そうなんですけど、優勝直後はちょっと悩んだりもしてましたね。ZAZYが応援されているムードの中で僕が優勝しちゃったんで「なんでしんいちがテレビに出てるんだよ」「ZAZYに勝ってほしかった」とか言われてました。テレビ局でも芸人の間でも敵は多かったです。テレビに出るときに優勝トロフィーをずっと持ち歩いてるのも、スベってるとかおもんないとか叩かれて。

