収支報告書添付の領収書を見ると、宛名欄には予め「林よしまさ選挙事務所 御中」とあり、その下には金額を書き込む欄があるなど、すべて同じ形式だ。但し書きには「衆議院総選挙山口3区選出議員選挙の労務費」とあり、続いて2種類の業務が記載され、携わった方に〇か✓をつける選択方式になっていた。
1つは、「ハガキ筆耕」(64人)、もう1つが「ポスター維持管理費」(123人※重複含む)である。ほか、〇も✓もつけず、内容が不明な労務費が111人分にも上っていた。
最初の「ハガキ筆耕」は、ハガキの宛名書きを指すとみられ、前述の通り労務費の支払いが可能。それにしても多いが、さらに奇妙なのはもう一方の「ポスター維持管理費」だ。労務の範疇である公示日のポスター貼りだけでなく、その「維持管理」。中には、「ポスター監視(2日間 10/18、10/25)」などと手書きで追記された領収書もあった。貼られたポスターの「監視」とはどんな業務なのか。
名目すら不明な領収書も3分の1以上
異様な名目で大人数に支出。しかも名目すら不明な領収書も3分の1以上という極めて不可解な状態だ。
衆院選から約1年。取材班は山口3区に赴いた。
〈この続きでは山口3区で総力取材した結果を詳報。公選法違反疑惑について取り上げた記事の全文は「週刊文春 電子版」および11月6日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる〉
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