「そんなに若くてできるわけないからやめろ」と止められたが…

——本当に突然だったのですね。米農家を継ぐ決断はすぐにできたのですか?

魅影 親戚や周りの人からは「そんなに若くてできるわけないからやめろ」と止められました。でも跡を継ぐこと自体は少しも迷わなかったですね。想像していたよりは早かったけど「自分の番が来たな」という感じで。お父さんまで18代続いてきたものを自分の代で終わらせるのも嫌ですし。きょうだいは妹2人なので、自分が長男だしやるしかない、と思いました。

魅影さんは妹2人がいる長男だった

——お母さまは田んぼにはタッチしていなかった?

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魅影 元々田んぼはおばあちゃんとお父さんだけでやっていたので、何にしても自分が継ぐか、農家を廃業するかの二択でした。

——でも、そんなに急にお米って作れるんですか?

魅影 小さい頃から手伝っていましたし、流れはわかっているつもりでした。とはいえ指示されたことをやっていただけなので、いざ自分だけでやろうとすると機械の操作とかわからないこともありましたけど。

 お父さんは兼業だったので、実は米作りのメインはずっとおばあちゃんで、そのおばあちゃんにイチから叩き込まれてどうにかできるようになりました。でもおばあちゃんも2020年に亡くなってしまって、今は1人で全部やってます。

 

——不安はありませんでしたか?

魅影 もちろん最初は不安でしたよ。お米を作れる自信もなかったし、バンドと両立できるのかもわからなくて。でもどっちも絶対やめないと決めて、あとはお父さんに言われた「好きなことをやって生きろ!」という言葉を頼りにどうにか続けてきた感じです。

次の記事に続く ビジュアル系バンドマン×ガチ米農家という“異色すぎる兼業”が意外と好相性な理由「農業は見た目が関係ないので…」

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