「米不足? 安心して、V系バンドマンが作ってるから」
夜を背景にアンニュイな表情で佇むピンク髪の男性が、青空の田んぼでコンバインを操作している……? 意外すぎる取り合わせでバズったのが、ビジュアル系バンド「曇りのち、」のドラマー・魅影(みかげ)さんだ。
45歳の父親が突然亡くなり、想定外に早く跡継ぎとなって10年。茨城にある4ヘクタールの田んぼで1人で米作りをしながら、バンド活動を行う世にも珍しい「農業×ビジュアル系バンドマン」は「令和の米騒動」をどう見ていたのか。米農家のリアルな収支状況についても聞いた。(全3回の3回目/最初から読む)
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——現在、どれくらいの広さで米作りをしているんですか?
魅影 1か所にまとまっているわけじゃないんですけど、全部でだいたい4町歩(ちょうぶ)ですね。
——町歩?
魅影 えっと1町歩が100m×100mなので……。
——ということは4町歩で4ヘクタールになりそうですけど(東京ドームより少し小さい程度)、1人で作業しているんですか?
魅影 1人でやってますね。自分の土地の田んぼと預かっている田んぼが合わせて19面あって、最初はなかなか覚えられなくて別の人の田んぼを間違えて耕しちゃうこともありました。
「今年は『初めて1000万円を超えるかも!』って楽しみにしてたんですよ」
——その広さで、どのくらいのお米が収穫できるんでしょう。
魅影 1町歩で70~80俵ぐらいですね。
——俵! 単位が米農家すぎます(笑)。
魅影 あっ(笑)。1俵が60kgなので、80俵だと4.8トン、4町歩で320俵できれば19トンぐらいですね。
——ものすごい量ですね。ちなみに19トンだとどのくらいの売り上げになるんでしょう?
魅影 今年は卸値が1俵で3万5000円だったので「初めて1000万円を超えるかも!」って楽しみにしてたんですよ。実際は全然届きませんでしたけど。上手な農家さんは田んぼの角まできれいに苗を植えていっぱいお米を作れるんですけど、自分はまだたまに角が空いちゃって、収穫してみたら思ったより少なくて。


