「とにかく女性問題だけはやめて。そんな祈るような気持ちで恐る恐るスマホを開くと……」

 今から数年前、「週刊文春」からある連絡を受け取ったサイバーエージェントの藤田晋社長(52歳)。企業や経営者にまつわる不祥事も報道する会社からいったい何の連絡が? 一代で有名企業を作り上げた藤田氏でさえ驚いた、その中身を新刊『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』(文藝春秋)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む

藤田氏を驚かせた“週刊文春からの1通の連絡”とは―― ©文藝春秋

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「心臓バクバク」週刊文春からの突然の連絡

「週刊文春の方からご連絡がありました……」

 私のスマホに通知された、広報担当者から来たメッセ(フェイスブックのメッセンジャーアプリ)の冒頭を見て、過呼吸かというほど心臓がバクバクと鳴った。2024年3月のことだ。

 もちろん文春砲を浴びるような後ろめたいことがあるわけではない。いや、全くないとは言えないかもしれない。不安を感じている心当たりが具体的にあるわけではないけど、24年も上場企業の社長をやっているのだから、過去にあった何かが問題になっても不思議ではない。同じような創業社長の中では相対的にスキャンダルリスクはマシなほうではないかと自負はしているものの、やっぱり何かはある気がする。怖い。