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社長を辞めて会長に退く
そして、私は2026年で社長を辞めて会長に退く。その経緯も本書には綴っているけれど、サイバーエージェントは若い社員を要職に起用し、成長の原動力としてきた会社だからだ。そんな会社のトップがずっと変わらなかったら説得力がない。
今回、書籍化にあたって、新たにつけたタイトルは『勝負眼』だ。確かに連載を執筆する中で自らの実体験を振り返ってみると、これまでありとあらゆる重大局面で勝負に挑んできた。チャンスと見て大胆に攻めるばかりではない。必死で守ることもあった。組織のリーダーとして、むしろ守る場面のほうが多いかもしれない。
麻雀では、細かなスキルや読みも大事だけど、結局は押すべき局面で押せるか、引くべき局面で引けるか、その「押し引き」が勝敗の9割を決めると言っても過言ではない。これは、ビジネスの世界にも通じるものがあると思う。
人生も会社も麻雀の配牌のように不平等だ。そんな中で、押すべきか、引くべきかをどう見極めるか。日々の出来事を等身大に書くつもりが、いつの間にか、社長を辞める私が、うちの社員やビジネスパーソンたちに伝えたいことを綴ることになった。
そんな本書が、読者の皆様の「勝負眼」を養う一助になれば幸いです。
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