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日本へ向けられる国際社会の厳しい目
警視庁が摘発した外国人の人身取引被害者としては最年少。捜査幹部は「幼い子どもが性的に搾取されており、国際的にも極めて重大な事件。緊急的に労働基準法違反で経営者を逮捕したが、斡旋したブローカーを含め徹底的に捜査する」と語気を強める。
少女の母親は10月に台湾で売春し拘束された。タイでは、貧しい家庭の女性などがセックスワーカーとして海外で出稼ぎをする事例は珍しくないという。
「現地には渡航費の立て替えや航空機の手配などを行う人物がいて、日本側で受け入れるブローカーと繋がっている。飲食店でのアルバイトと偽って連れて来るケースもあるが、事件として表面化するのはごく一部」(前出・捜査関係者)
日本については以前から東南アジアでの少女買春ツアーなどが問題視され、国際社会の目は厳しい。各国の人身売買に関する米国務省の年次報告書では、日本は2020年以来、6年連続で「対策不十分」の評価だ。
被害女性の支援団体関係者は「性的搾取や人身取引への社会的関心が薄く、処罰もあまりに緩い」と指摘。前出の捜査幹部は「違法店の利用者も人身取引に加担していることを自覚すべき」と警鐘を鳴らす。
「早くタイに戻って中学校に通いたい」と話しているという少女。被害を繰り返さないためにも、国を挙げた取り組みが求められる。



