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ライトゴロや隠し球……意外なプレーが野球を面白くする

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/15
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これまで目にした中で印象的だった“意外なプレー”

 話を元に戻して、私が目にした印象として残る意外なプレーは82年の日本シリーズ、西武と中日の戦いだ。2勝2敗で迎えた第5戦の3回表の中日の攻撃は二死2塁。平野の放った打球は1塁線を破り適時打……と思った瞬間、打球が1塁の村田康一審判の足に当たり2塁手方向に転がった。2塁走者の田尾安志は3塁を回ったところで「異変」に気付き戻ったが、2塁手の山崎からスティーブ・オンティベロスに送球されタッチアウト。塁審に当たってなければ先制のホームインというケースだった。この試合に西武が勝ち、第6戦で日本一を決めた。試合の流れ、シリーズの流れでも「石ころ」の存在は大きかった。このプレーに関わった走者の田尾と、この時のバッテリーの杉本正と大石友好の交換トレードが決まったのが2年後のオフ。また、打者の平野も87年のオフ、小野和幸とのトレードで西武にやってきた。不思議な縁を感じる。

 プレーとは異なるが、先日、広島・鈴木誠也の四球を周囲が気付かず、そのまま打って二ゴロに終わったケースがあった。公式記録員は当然分かっていたはずだが、グランドから離れている席からは伝える手段がない。また、それぞれのベンチにはマネージャーなどがスコアを付けているが、伝えきれなかったようだ。グランド周辺は、「エアポケット」に入ってしまったのか。

 勝った、負けたが野球の基本。でも、様々な意外性のプレーも観客を魅了する。学校や職場で、前日のプレーの話題で盛り上がるのが野球に携わっている側としては嬉しい。

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