不正受給企業からの“危ない献金”が…

 佐藤氏が代表を務める「自由民主党奈良県参議院選挙区第2支部」の収支報告書。22年度の寄附欄に、愛知県一宮市の医療法人有俊会から、10万円の献金を確認できる。

献金は参院選の直前だった

 実はこの有俊会が運営するいまむら病院は、新型コロナ対策の補助金を虚偽申請した詐欺の疑いで、10月末に名古屋地検特捜部の家宅捜索を受けているのだ。

「愛知県は有俊会が20年〜23年にかけて計約4億5000万円を不正受給していたと認定。関連補助金の総額約17億6000万円の返還を求めた」(社会部記者)

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 つまり、不正受給をしていた時期に献金を受け取っていたことになる。しかも、有俊会理事長で元衆院議員の今村洋史氏は、佐藤氏と同じく旧安倍派所属。220万円の不記載を認めた裏金議員でもある。別の政治部記者が解説する。

今村氏は昨年の衆院選は出馬を断念していた ©時事通信社

「不正受給企業からの献金を巡っては、昨年、岸田元首相が新型コロナ対策助成金を不正受給した企業から計12万円の寄附金を受け取っていたことが発覚。『道義的観点から』返金した」

 佐藤事務所に高市氏を巡る発言や献金などについて11月10日に尋ねたところ、概ね次のように回答した。

「総理に対しては率直な意見を申し上げているところであるが、個別のやりとりの詳細をお答えすることは差し控えたい。(有俊会からの寄附は)政治資金規正法に則った寄附であるのかを確認した上で適法に受けたものと承知しているが、道義的観点から返金した」

 だが、いつ返金したかを聞くと「11月11日」と、「週刊文春」の質問の翌日だという。“危ない献金”のコントロールにはやや不安あり?

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