1年前、自民党総裁選に出馬した2人の女性候補者の装いは対照的でした。
上川陽子氏(72)がアメリカ大統領選のヒラリー・クリントンを思わせる白のパンタロンスーツで颯爽と登場した一方で、高市早苗氏(64)は、議会で見慣れた普段のスーツ姿で貫きました。
高市陣営の女性議員からは「もっと華やかにした方がよいのでは」との声もあがりましたが、それでも日常の姿を選択したのです。
迎えた第1回投票で高市氏は首位に立ち、スタイリッシュな雰囲気を押し出して最大のライバルと目されていた小泉進次郎氏(44)は3位に。そして決選投票では高市氏以上に“地味”だった石破茂氏(68)が勝利しました。
この結果からは、当時の党員や議員が「華々しさ」よりも、むしろ「庶民感覚を共有できる政治家」に期待を寄せていたことがうかがえます。
くっきり描いていた眉毛、上唇の山をはっきり縁取る口紅
あれから1年が経ち、再び総裁選に出馬した5人の候補者の中で、もっとも大きく印象を変化させたのは間違いなく高市氏でしょう。
これまで、高市氏はメイクについて明確な課題として繰り返し指摘されてきました。特に目立っていたのが眉の描き方で、黒に近い濃い色を用い、眉頭までくっきりと描くことが多くありました。
高市氏の濃い眉は力強さを演出する一方で、男性的な印象や頑なさを感じさせ、発言内容をより強硬に見せてしまう効果があったと言えます。
口紅も昨年までは濃い色を選択することが多く、上唇の山をはっきり縁取るので、全体として硬さや不自然さが際立ちました。顔のパーツが小ぶりなだけにミリ単位の差で印象が大きく変わり、その違和感が聴衆の注意を奪う効果もありました。これは単に外見の話ではなく、せっかくの政策やメッセージが届きにくくなるという政治家としてのパフォーマンスにも影響があったと考えられます。
しかし今回の総裁選では、印象が大きく変わりました。

