派閥の裏金事件の影響で、参院議院運営委員会などを“出禁”になっている佐藤啓官房副長官(46)。彼には他にもカネの問題が……。
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「私のせいで安倍先生の命を失ってしまった」
2016年の参院選で奈良選挙区から初当選を果たし、安倍派に所属した佐藤氏。2期目に挑んだのが、22年の参院選だった。
「7月8日、安倍晋三元首相が応援に駆けつけましたが、演説中に凶弾に斃れてしまった。先日の山上徹也被告の裁判にも証人として出廷し、『私のせいで安倍先生の命を失ってしまった』と語っていた」(全国紙記者)
銃撃の1年半後、永田町を揺るがしたのが、裏金事件だった。岸田文雄政権で財務大臣政務官を務めていた佐藤氏も、政務官を辞任。最終的に不記載額は、306万円にも上った。
「収支報告書には銀座のワイン専門店などへの支出が追記され、裏金をワインに使ったとも取り沙汰された。当時、Xにコメントを出すだけで、取材対応しなかった議員の1人です」(同前)
今回、高市早苗首相はそんな佐藤氏を要職の官房副長官に起用したのだが、
「高市氏は裏金議員について『選挙で厳しい審判を受けた』としていますが、佐藤氏は非改選で選挙を経ていない。野党は猛反発し、国会召集から3週間経っても出禁が続く異常事態になっている」(政治部記者)
「自分が高市氏を勝たせた」という自負
では、なぜ高市氏は佐藤氏の起用に踏み切ったのか。
「同じ奈良県が地盤で、総務相経験者の高市氏は元総務官僚の佐藤氏の政策能力や調整能力を高く評価。安倍氏の慰霊碑を高市氏の意向で見晴らしの良い高台に計画した際は『現場から遠すぎる』と反対の声も多かったが、彼の尽力で建立にこぎつけました。『耳の痛いことも私に言ってくれる』とも評していた」(同前)
当の佐藤氏も、周囲にはこう洩らしているという。
「高市さんの政策や想定問答は私が書いている。靖国への参拝を見送ったのも私がコントロールしているから。あと、メイクも変わったでしょ。あれも私が変えさせた」
官邸関係者が言う。
「佐藤氏は『自分が高市氏を勝たせた』という自負がある。安倍氏の死などを経て遂に手にした重要ポストだけに、本人も辞めるつもりはないようです」
だが、彼を巡るカネの問題は裏金だけではない。
