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父親を再逮捕したが…
こうした状況を踏まえ、警察はマイケルを2020年8月にアリッサに対する第二級殺人罪で再逮捕・起訴した。裁判で検察側は前述の疑惑に加え、失踪の少し前、マイケルが大量の水酸化ナトリウムを購入していた事実を公表。この薬品は遺体の腐敗を加速させることが可能で、検察はマイケルがアリッサを殺害後、水酸化ナトリウムを使ったうえで遺体を遺棄したものと主張した。
対し、被告のマイケルは購入を認めつつも、使用目的に関しては明確な供述を回避する。他にも、検察はマイケルが所持していた2台のトラックを失踪後にどちらも売却していたのは、娘の遺体をトラックで運び、その証拠を隠ぺいする目的があったと主張。
これについてもマイケルは売却の事実を認めたものの、目的を明言することはなかった。
審理は新型コロナウイルス感染症の影響もあり遅々して進まなかったが、2023年7月18日、ようやく判決が出る。
下されたのは無罪。裁判長は、マイケル(当時75歳)に対する証言や疑惑は全て状況的なもので、明確な物的な証拠は何一つないとして起訴内容を全て棄却した。その後、検察は控訴を断念。事件は未解決のまま葬られた。
