2001年、17歳のアリッサ・ターニーが忽然と姿を消した。父親は一見「娘思い」だったが、監視映像や周囲の証言から性的暴行の疑惑が浮上。失踪後も父の不可解な行動が続き、水酸化ナトリウム購入やトラック売却などの疑惑が明らかに。不審な父親は果たして「犯人」だったのか……? 今なお真相が闇に包まれた古今東西81のコールドケースを扱った文庫『読んで震えろ! 世界の未解決ミステリー』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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「お父さんは変態だ」
2008年12月、警察はマイケルを逮捕する。
容疑はアリッサ失踪に関することではなく、自宅に手製の爆発物、届けのない拳銃やライフルを所持していたことに加え、以前勤務していた電気会社を爆破する計画を立てていたことを裏づける文書が見つかったことだった。マイケルは裁判で懲役10年の判決を受け、2017年8月に釈放となるが、この間、サラは姉の情報を広く求めていた。
実は2008年に父が逮捕された際、警察から、アリッサがマイケルから長年にわたり性的暴行を受けたうえ殺害された可能性があることを警察から聞かされていた。
これに驚愕した彼女は自らポッドキャストを立ち上げアリッサについて知る全てのことを話す他、様々なSNSで発信。中でも大きな反響を得たのが、失踪前にアリッサが父と公園に出かけた際、彼女が「お父さんは変態だ」と口にする様子を捉えたビデオカメラの映像をアップしたティックトックだった。動画は何百万回と視聴され、世間の疑惑はマイケル1人に集中する。
