「自分に付加価値をつけ、努力しないと」中学校で“かわいいキャラ”にイメチェンしたワケ

――つらい小学生時代を経て、中学ではキャラ変をしたそうですね。

新居 もともと母親や親戚からはすごく愛されてたので、自分のことをかわいいと思っていたんです。当時は天パーのショートカットだったんですけど、いじめを経たことで「生まれたままの姿じゃだめだ。自分に付加価値をつけ、努力しないと」と思って、その辺りぐらいからイメチェンし始めました。

 髪の毛を伸ばしてストレートにして、眼鏡を外しただけで、分かりやすく周りの対応が変わりましたね。

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 東京とかの中学だとかわいくお化粧した子がいると思うんですけど、田舎だったので髪を結ぶ時に“触角”を出している人すらいなくて。それをちょっとするだけでおしゃれ扱い、かわいい子扱いされるのが楽しかったです。ただ、そこで美醜に執着をしてしまって。

 

「お前、顔面凶器やん」中学時代に引きこもりになった“きっかけ”

――美醜に執着する?

新居 ある時、クラスの男子が他の女子のことを「お前、顔面凶器やん」ってののしってたんです。それを見て、自分の中で他人に対してそんなことを言える人がいる、その悪意にびっくりしちゃって。

 その当時、「その子と私の顔のレベルは大して変わらない」という点に執着してしまって。正直、私はツインテールとか、“触角”とか付加価値をつけたことで、キャラクターとして「かわいい」となっただけだと気づいちゃったんです。最初は友達がいたので、割と明るく振る舞っていたんですが、それをきっかけに徐々に学校に行けなくなりました。

 学校を休むと友達から「なんで学校に来ないの?」「待ってるよ」とか「2、3日休みで寂しかった」と言われ、申し訳ないという気持ちがあったんですけど、徐々にその気持ちもなくなって。どんどん休む頻度が増えて、最後にはフェードアウトしました。

 結局、キャラ変といってもツギハギの明るさでした。学校で集団行動の自信を全部バキバキに折られてしまって。もし今、学校に通えって言われても1ヶ月も持たない自信があります(笑)。

――不登校になってからはどう過ごしていたんですか。

新居  引きこもっていた時の記憶があんまりないんです。半年ぐらい引きこもっていたはずなのに。

 

――ご両親は引きこもる新居さんに対して、どう反応していたのですか。

新居 そこは寛容だったなって思います。引きこもっている頃は拒食症で29kgまで体重が落ちたんですけど、それでも母は「ごはん食べな」というくらいの感じで、冷静に声をかけてくれて。母が私の行動に対して感情的にならなかったのは、すごく救いでした。