がん治療において重要な選択肢となるセカンドオピニオン。しかし、その現実は患者が思っているより複雑だ。10月に医療エンタメ小説『最後の外科医』(文春文庫)を上梓した、現役外科医で作家の中山祐次郎氏が番組で明かした。(全2回の2回目/はじめから読む

【がんの専門医が明言】がんリスクを下げる唯一の方法は…|セカンドオピニオンは必須|看護師を頼るべき理由|症状がなくても"がん検診"を受けるべき|NG習慣:タバコ、お酒、野菜不足…【中山祐次郎】

(初出:「文藝春秋PLUS」2025年11月7日配信)

「遅く見つかれば助からない。早く見つかれば治る」

 中山氏はがん治療の基本原則を次のように語る。

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「がんには大事な特徴が一つあります。それは、遅く見つかったらどうやっても助からず、早く見つかれば大体治るということです」

 早期発見の重要性を説く一方で、医療システムの課題にも言及する。

「実は病院によって治療のレベルは違います」

中山祐次郎氏

「日本の医療は国民皆保険が前提なので、どの病院でも等しいレベルの治療が受けられるということになっていますが」と制度との矛盾を指摘した。

「100%全員にセカンドオピニオンを受けてほしい」

 中山氏のセカンドオピニオンに対する姿勢は明確だった。

「私は100%全員にセカンドオピニオン受けてほしいと思うんですよね」

 その理由として2点を挙げる。

「一つは、最初に『がんです』と診断され、『では手術しましょう』となった医師や病院のレベルが適切か分からないため、別のところで意見を聞いてみることです」

「そうすると、2人の医師の意見が同じか違うかが分かります。もし全然違ったら『これはおかしいぞ』ということになりますよね」