ある女子大学生からの相談だ。ぬいぐるみは厚みがあり、AirTagなどを仕込みやすいため、この手口はよく使われている。
実際2022年には、離婚調停中、夫に所在を隠して避難していた妻と子どもとの面会時、夫が紛失防止タグを入れたぬいぐるみを渡す事態が起きている。
実は、アイドル等を対象とした贈り物に、GPS機器や盗聴器等が仕込まれる被害は以前からよく起きている。
たとえば、スクールライフをモチーフとしたVTuberグループ「あおぎり高校」でもメンバー宛のプレゼントにGPS発信器が隠されている事件が発生。公式Xは2024年2月、刑事告訴を検討すると同時に、プレゼントは受け付け停止を発表している。
「どこで何をしているか知りたかった」
車にAirTagなど紛失防止タグをつけて位置情報を不正に取得し、逮捕される事件も相次いでいる。
京都府警では、2022年12月にAirTagを同僚の車に取り付けてつきまとったとして、40代の男をストーカー規制法違反容疑で書類送検している。男は、「好みの女性がどこでどんなことをしているか知りたかった」と供述している。
同年、滋賀県で男が知人女性の車に自らの車を衝突させ、女性を連れ去る事件が起きた。男は、監禁容疑で現行犯逮捕されている。男は、女性の車に紛失防止タグをつけ、位置情報を取得していた。
さらに同年には、米インディアナ州で殺人事件まで起きている。同居中のボーイフレンドの浮気を疑った女性が、AirTagを車の後部座席に仕込んで追跡。彼が他の女性と居合わせたところを発見し、女性に暴力を振るった上、止めようとした彼を車ではねて死亡させた。
ほかにも、高級車の盗難に悪用されるケースも複数報告されている。車に勝手に紛失防止タグを取り付け、保管場所を把握した上で、人気がない時間帯に盗む手口だ。
不審なAirTagを見つける事前設定
このような被害は、けして他人事ではない。「AirTagがあなたの近くで見つかりました」といった不審なメッセージがスマホに通知されたら、以下のようにして対処しよう。