「結婚発表を政治利用するな」「子どもがかわいそう」
――SNSではお祝いのメッセージと同時に、批判するような声も散見しました。
たかまつ 批判を分析すると「結婚発表を政治利用するな」「子どもがかわいそう」「姓を変えてもビジネスネームを使えばいいじゃないか」「そもそも結婚発表が不愉快」というような声でしたね。「本当に愛されているなら男性がたかまつ姓を名乗ればいいじゃないか」というヒデさんを揶揄する意見もありました。
――喜ばしいはずの結婚発表を批判され、傷つきませんでしたか。
たかまつ 幸せなので、全然平気でした。炎上も覚悟の上でしたし。ただ、私は表に出る仕事をしていて、ある程度耐性もありますが、ヒデさんは傷ついていないかな、って。でも、リプライを読みつつ、平然としていましたね。事実婚を発表した時点で、そんな反応が来ることはある程度予想していたみたいです。
事実婚を公表した経緯に、約60万人の「別姓未婚」の存在
――なぜ、事実婚を明かしたんですか?
たかまつ 本当は結婚の発表自体するつもりはなかったんです。でもプロポーズを承諾してから、ヒデさんは自分の周囲の人たちに報告し、それが少しずつばれてきた。私もお世話になっている方がたくさんいるし、不義理をするのも嫌なので公にしちゃおうと。
事実婚を公表することについても、二人で話し合って決めました。というのも、私の周りや同年代の人たちには、選択的夫婦別姓制度がないために結婚をためらっている人や、一緒に住んでいるものの「別姓未婚」の人たちが少なからずいるんですよ。
――法律婚をしたいけど、今の日本の婚姻制度ではかなわない人たちですね。
たかまつ 今年4月に各新聞が報道していましたけど、選択的夫婦別姓が法律婚になることを願いながらも、事実婚を選んでいる人が60万人近くいるそうです。法律婚をしたいのに、選択的夫婦別姓を望み、未婚となっている「別姓未婚」の状態です。私たち自身も、現実にそういう法律の壁にぶち当たっていることを伝えたかった。そう思って、あえて結婚報告の中で、事実婚について、さらには選択的夫婦別姓にも触れました。
選択的夫婦別姓に関してはいろいろな意見がありますよね。世代でも大きく認識がちがって、私の父なんかは、夫婦別姓の議論が出る理由がよく分かっていなさそうです。でも、結婚したらなぜ姓を変えなきゃならないのかと思う人がいるのもまた、不思議なことでは全くないですよね。結婚で姓の変更を強いられるのは、先進国では日本ぐらいですし。




