若者の政治参加を専門とし、社会起業家として活動をするたかまつななさん(32)。今年8月には、一般男性との事実婚を発表し、話題となった。たかまつさんが体験した“令和婚活”のリアル、パートナーとの関係性、今後の展望について、話を聞いた。(全3回の3回目/はじめから読む

株式会社笑下村塾代表/社会起業家のたかまつななさん  ©山元茂樹/文藝春秋

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26歳の時に婚活を決意…マッチングアプリを選んだ理由は?

――パートナーとはマッチングアプリで出会われたとのことですが、婚活はアプリ一択だったんですか?

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たかまつななさん(以下、たかまつ) 高校まで女子高だったので男性に対する免疫がなかったんですよね。大学・大学院時代はお笑い芸人として活動しつつ、勉強も忙しかったので、恋愛について真剣に考える機会もあまりなくて。もともと、結婚して子どもが欲しいと思っていましたが、いつかあるだろうと運任せにしていた気がしました。

 なので、26歳でコロナ禍で仕事が相次いでキャンセルになり、孤独を感じ、仕事以外にも大切なことがあると初めて実感をともなって感じました。将来を考えて、「結婚して子どもが欲しいな」と思った時に、すぐ行動に移せるのがマッチングアプリだった。

――人からの紹介などは?

たかまつ もちろん、会う人会う人に「婚活中です」とアピールし、実際紹介していただいたこともありました。皆さんいい人だったけど、なかなかうまくいかなくて……。結婚相談所にも登録しましたが、あまり合わなかったのですぐに辞めました。

 それに、人に紹介してもらうと、気を遣ってしまう部分もありました。やはりアプリの方が気楽でいいなって。一時、5か所ぐらいに登録していました。

 

「ネタかと思った」本名でアプリに登録

――自分のプロフィールを正直に書くんですか。

たかまつ 嘘を書く人もいるけど、私は正直に書きましたね。そして条件には、政治が語れる人、甘えさせてくれる人、話し合いが出来る人の3つを挙げました。

――「たかまつなな」と本名で?

たかまつ はい。実際に会ったのは6年間で30人ぐらいですけど、最初に必ず言われたのが「ネタかと思った」って。

 電話で話して「いい感じだな」と思っても、初対面の時はやはり警戒してしまいますね。「週刊誌の記者だったらどうしよう」とか。実際いましたし。その方は、本気で婚活していたようだったので、変な記事を書く意図はなかったと思いますが、「メッセージのやり取りを拡散されたら……」と不安になったこともあります。

――ほかにはどんな人がいましたか。