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酷暑の中、なぜ地球は20年後に「ミニ氷河期」に突入するのか

涼しい未来を見据えて猛暑を乗り切ろう

2018/08/05

過去400年でもっとも暑い夏

 次に、世界全体で見ると平均気温は上昇しており、地球温暖化というグローバルな現象が起きている。専門的には地球温暖化とは、地球の平均気温が過去400年間ではもっとも高くなってきたことを指す。たとえば、詳細な観測データが得られている20世紀以後に限ると、過去100年間に平均気温が0.7度上昇している。そしてこの理由は大気中の二酸化炭素濃度の増加にちがいないと多くの科学者が推測してきた。

 具体的に見ると、過去100年間で大気に含まれる二酸化炭素の濃度は、280ppmから380ppmまで上昇した。その原因は、人類が石油や石炭などの化石燃料を大量に燃やしたからである。

©iStock.com

 では、二酸化炭素が増えるとなぜ気温が上昇するのだろうか? 地球の気温は太陽から来るエネルギーによって決まる。地球が受け取るエネルギーと、地球から出ていくエネルギーが釣り合っているので、地球の温度は一定に保たれている。

 たとえば、夏の昼間に車を屋外に駐めておくと、車内がひどく高温になることがある。これは窓ガラスを通って入ってきたエネルギーの一部が車内に閉じ込められ、窓の外に出ていかないからだ。ビニールハウスや温室はこの効果を使っているが、大気中で同様の働きをする気体がある。それが「温室効果ガス」で、具体的には、水蒸気、二酸化炭素、一酸化二窒素、メタン、フロンなどの気体である。

 そして温室効果ガスは赤外線を吸収し、太陽からの熱エネルギーをためこんでしまう。もし大気中の濃度が増加すれば、熱エネルギーは宇宙空間に放出されなくなる。

埼玉県熊谷市が暑くなる理由

図2:大気の温室効果。(出典=鎌田浩毅著『地球とは何か』サイエンス・アイ新書)

 ここで地表と大気圏と宇宙(大気圏外)とのあいだで起きるエネルギーのやりとりを見てみよう。エネルギーを吸収する温室効果ガスが大気圏にない場合には、太陽から来たエネルギーと等しい量のエネルギーが宇宙へ逃げていく。

 ところが温室効果ガスが大量にあると、雲が生じる対流圏のなかでエネルギーが吸収される。吸収されたエネルギーは地上へ戻っていき、地上を暖めるのだ(くわしくは拙著『地球とは何か』サイエンス・アイ新書を参照)。

 今年の猛暑は日本だけではなく世界的現象なので、こうしたグローバルな地球温暖化が一つの原因にはなる。これに加えて首都圏を始めとして日本の大都市では、先に述べたヒートアイランド現象が加わったものだ。いったんヒートアイランド現象が起きるとエアコンの使用が増え、さらに加速されるという悪循環が起きている。

 今夏の関東では南から北へと風が流れ、暑い空気の固まりが北に運ばれ気温上昇が顕著になっている。国内最高気温を記録した埼玉県熊谷市はこうした場所にある。

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