20歳の誕生日は一人HMV
成田 嫌われるのは嫌いですか? いくら嫌われにくくても、やっぱりアンチも悪口も湧くでしょうし。
仲 悪口自体は普通に生きていれば、みんな言うと思うんですよ。友達同士とかで「今日の里依紗ってあんまりかわいくないよね」みたいなことを言われるのは全然いいんです。なんなら私もそう思う時あるし(笑)。ただアンチの人は、それを誰もが見られる公共の場に書き込むわけですよね。だから私は「この人の人生に何があったんだろう? どうしたら、それを書かずにすむようにしてあげられるのか」みたいなことを考えてます。
成田 人間って相手の顔とか反応が見えなくて言葉だけだと否定が無限に鋭くなっていきますよね。
仲 私も言葉って難しいなってすごく思います。全然そう思って書いてないのに、思わぬ風にとられることもあるし。私自身、相手の何気ない言葉に「え、これってこういう意味なのかな」とか、すごく考えちゃうタイプだし。だから、あんまり人と関わらないようにしてました。
成田 えっ、ちょっと意外です。
仲 結婚(*2013年に俳優の中尾明慶と結婚)する前は、4日間家から出ないとか普通にありましたもん。現場でいろんな人としゃべるので、お休みの時は誰とも会わないで。20歳の誕生日も渋谷のセンター街に一人でいましたもん。
成田 20歳の誕生日に一人?
仲 当時、HMV渋谷があって、あそこで試聴するのが大好きだったんで、その日もずっとそこにいて。
成田 あぁ〜あの1階の試聴コーナー! 「病んでる人ばっかだな」と思って眺めてた記憶が(笑)。
仲 それ、私! 私です(笑)。当時は、まさにそっち系でした。
成田 でも今YouTubeやSNSのお姿を見ると、24時間誰かと一緒にいそうな雰囲気ですよね。
仲 そうなんですよ。そこは結婚してからメチャクチャ変わりましたね。たぶん旦那が一番そう思っていると思うんですけど。
成田 急にまた一人になりたくなったりされないんですか?
仲 母親になってからは、ないかな。オフの日は美容系行ったり、ジム行ったりとか、一人でずっと動き回ってますけど、一人でゆっくり過ごすことはなくなりましたね。
※本記事の全文(約7000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(仲里依紗×成田悠輔「主役ってできればやりたくない。みんな“いい人”だから」)。全文では、以下の内容についても語られています。
・YouTubeは2週間で始めた
・有村架純ちゃんにはなれない
・「不適切」と対峙する

