酷道410号の姿

 房総半島の南端に位置する南房総市から国道410号を北上すると、しばらくは外海沿いの道が続く。海を離れて田園地帯を抜けると、山間部へと向かってゆくルートで、この間にもわずかながら酷道区間が存在するが、すぐにまた普通の国道に戻ってしまう。

 いよいよ本格的に酷道の雰囲気になってくるのは、鴨川市に入る前後。再びセンターラインが消え、今度はしばらく酷道の状態が続く。

鴨川市に入るあたりで酷道区間が始まる

 タイミングさえ悪くなければ対向車と何とかすれ違うことができる。

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住宅が点在し、それなりに交通量がある

 バックしなくても済んでしまうあたり、普通に走行するには助かるが、酷道マニアとしては、これでもやや物足りなさが残る。

 君津市大坂付近は、酷道410号のハイライトといえる区間。ここから10kmほどの間、2本の国道410号が平行しているのだ。直進するバイパスと、東に分岐して北上する旧道である。

同じ国道410号とは思えない酷道と並行するバイパス

 通常、バイパスが完成すると旧道は国道指定を外されてしまうことが多い。酷道とは、国道でありながら酷い道というギャップを楽しむ趣味であるので、国道指定を外されてしまうと、酷道マニアとしては複雑な気持ちになる。

 そして、国道410号のこの旧道区間は、幸い国道指定が外されていないため、酷道と呼ぶことができるのだ。

酷道にある通学路

 国道指定を外されない例外としては、バイパスが自動車専用道であったり、歩行者や自転車が通行しにくい道路である場合、旧道も国道のまま残してくれるケースがある。

 右折して旧道に入ると、私を歓迎するかのように幅員減少の標識が現れた。

ここから酷道410号の核心部へと入ってゆく

 展開が早い。嬉しい。このあたりは郊外の住宅地であるため、対向車がそれなりにやって来る。歩行者の姿もあり、慎重に運転する必要がある。

この道幅では対向車とすれ違えない

 趣味として道路を走る者として、一般利用者に迷惑をかけたくないという思いが常にある。そのためには、安全運転は絶対条件だ。