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なんともトリッキーな案内標識
郵便局を過ぎたところで、国道をなぞって右折……しようと思ったが、道路脇の案内標識には国道410号は左折と表記されている。
これに戸惑い、安全な場所に車を停めて複数の地図アプリで調べ直す羽目になった。国土地理院の地図も参照したが、やはり国道は右折で間違いない。左折する道は国道ではないのだが、その先600mほどで2車線の国道410号と合流している。酷い道を避けて速やかに2車線道路に合流させるため、あえて左折させようとしたのかもしれない。なんともトリッキーな案内標識だ。
右折すると山が迫り、道の状態も一段と険しさを増した。
対向車とすれ違うことができない狭い道をワクワクしながら走っていると、前方にトンネルが現れた。
トンネル内も1車線分しか道幅がなく、非常に歪な形をしている。人の手で掘り、モルタルを吹き付けただけの非常に簡素な造りだ。トンネルの内部も歪で、箇所によって空間の大きさが異なっている。このトンネルは四町作第一隧道といい、明治35年に開通している。隧道とはトンネルの和語で、全く同じ意味の言葉だ。
四町作第一隧道は日本の全ての国道の中で2番目に古い現役のトンネル。ちなみに最も古いトンネルは明治23年に造られた国道143号の明通トンネルで、長野県筑北村にある。





