一方、シャーリーン(ウィリアムズ=旧姓)は1956年、カリフォルニア州ストックトンで生まれた。父親はスーパーマーケットチェーンの副社長を務めており、家庭は裕福。何不自由なく成長し、母親が交通事故で重傷を負ってからは、父親の出張に同行し、その教養とコミュニケーション能力の高さを取引先から絶賛された。しかし、高校を卒業し酒とドラッグを覚えると人生は一転する。

 勤め先の同僚男性たちと簡単にベッドを共にし、やがてヘロイン中毒の金持ち男性と結婚したものの、シャーリーンが売春婦との3Pを望むなどの性的嗜好を見せ始めたため離婚。その後、再婚した軍人男性との暮らしも長続きはせず、不倫相手やレズビアンの女性とのセックスにどっぷり浸った。

「たがが外れた2人」はなぜ出会った?

 そんな彼女がジェラルドと出会ったのは1977年9月10日のこと。友達に誘われて出かけたブラインド・デート(目隠しして相手が誰かわからないままデートする企画)の相手がジェラルドだった。

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写真はイメージ ©getty

 シャーリーンはすぐに彼の虜となる。端正な顔立ち、男性的な荒々しさ、暴力的なSMセックス、強烈な妄想と権力欲。犯罪歴があると聞いても、彼女の目には、ジェラルドの全てがたとえようもなく甘美でロマンティックに映った。そして交際、同棲を経て1978年春に結婚。ジェラルドが32歳、シャーリーンが21歳のときだ。

 ジェラルドはシャーリーンの体を味わい尽くすと、彼女に本音を吐露する。

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