14歳の時に「海綿状血管腫」を発症し、左顔面と右半身に麻痺が残ったSHIBUKIさん。それまではモデルを目指していたSHIBUKIさんは自分の変わりように衝撃を受け、「暗黒期」を過ごしたという。
その後、23歳で双子を出産。現在は子育てをしながら、自身の障害や家事・育児、大好きなメイクやファッションについて、等身大の姿をSNSで発信する。そんなSHIBUKIさんに、発症当日の様子から、障害を持って気付いたさまざまなことについて、話を聞いた。(全3回の3回目/最初から読む)
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左目保護には「ローズラップ」一択
――初対面の人によくされる質問があるそうですが、どんなことですか。
SHIBUKIさん(以下、SHIBUKI) 一番は目のことですね。「なんでラップしてるの?」はしょっちゅう聞かれます。
――左顔面麻痺の影響でまぶたが閉じないということで、目を乾燥させないためにしているとのことでしたよね。ラップの種類にもこだわりが?
SHIBUKI よく「眼帯じゃダメなの?」って言われるんですけど、紐に化粧がつくし乾いちゃうんで、ラップに落ち着きました。
私は「ローズラップ」一択でしたね。もう今は販売中止なんですけど。
――「サランラップ」や「クレラップ」も有名ですけど、「ローズラップ」がよかった?
SHIBUKI 切れやすさ重視のラップって、パリッとしてて硬いじゃないですか。あれが目に入った時の痛みはものすごいものがあって。メーカーさんも眼帯的に使用することを考えてないから当然なんですけど(笑)。
ローズラップはダントツに柔らかくて使いやすかったです。
短大を卒業した直後の22歳で妊娠
――前回、パートナーとの出会いをお聞きしましたが、交際後すぐに妊娠がわかったそうですね。
SHIBUKI 付き合って3ヶ月くらいで妊娠がわかったんです。海綿状血管腫になった後、主治医からも「妊娠は問題ない」と言われていたんですけど、私は勝手に諦めていて、子どもを持ちたいと思うこともなかったんです。
そんな中、短大を卒業した直後の22歳で妊娠して。無理だと思ってたから、妊娠できたこと自体は嬉しかったんですけど、まだまだ自分のことで手一杯だったんです。
――パートナーの方の反応は?
SHIBUKI 子どもを持つことにどうしても不安があったので、彼に「堕ろしたい」と話したら、泣きながら「頼むから産んでほしい」と何度も懇願されました。「子育ても一緒にやるし、2人の時間もあるから大丈夫」と言われて、大きな後押しになりました。

