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先に進むと突如…
桟橋を渡ってすぐの砂浜は現在では海水浴が禁止されているが、予約制のBBQや釣りが楽しめる猿島のメインフィールドの一つ。
正面に見える建物は軽食が購入できるテイクアウトレストラン「Oceans Kitchen」。外のテーブルで海を見ながら食事ができる。
さらに島を縦断する一本道へ入ると、すぐさま頭上を覆いかぶさる木々の葉が灼熱の日差しを遮ってくれた。手つかずの自然が残る猿島ならではの天然のアーケードが暑さを和らげてくれる。
先に進むと突如、切り立った岩の壁が現れる。
露天掘りの切通しと呼ばれ、地盤を削って道を作っているそうだ。当時は重機もなく手作業だったとされているから先人の道を切り開く開拓精神に感服する。
続いて道の左側に現れたレンガ造りの建物は観光客で賑わう猿島の持つもう一つの顔である遺構、元軍用施設だ。
猿島は東京湾に浮かぶその立地から、1884年(明治17年)に東京湾への敵艦船の侵入を阻止する要塞として、この先にある弾薬庫や砲台が築造され、都市を守る要として君臨していた。
当時の建物や砲台跡がそのまま現存する歴史ある島として猿島は多くの観光客が訪れているわけだ。外壁が苔むした様子、原生林が残るさまはまさに横須賀のガラパゴス。
桟橋からわずか10分で圧倒的な景観を前にし、まるで映画の世界に飛び込んだような錯覚を覚える。





