あるバラエティ番組で私の部屋を紹介する企画があって、そのなかで百々果が実家で暮らしていることを口にした。
それがきっかけでバッシングが始まった。
「娘を親に押し付けて、いい気なもんだな」
「育児放棄か」
「親失格でしょ」
なんだってそんなふうに言われるのか、こちらには理解不能だった。
当然、百々果も周りからいろいろ聞かれたり、言われたりする。
「百々果ちゃん、かわいそう」
「百々果のママ、面倒見てくれないんだ」
言われた百々果は、頭から「?」を何本も生やして帰ってきた。
「私、寂しい思いなんてしたことないんだけど」
「毎日、会ってるじゃん」
「夏休みや冬休みにはみんなで旅行に行ってるしね」
私が実家を出ることについては、家族で何度も話し合ったし、そのたびに百々果にも「大丈夫?」と確認した。当然、なにか問題が生じたら即ストップするつもりだった。
「梅宮アンナはちょっと……」という空気に心が折れて
でも、万が一ってこともある。私に気を使って本当のことを言えなかったのかもしれない。改めて、真剣に聞いてみた。
「百々果、私があんたのこと捨てたと思う?」
「いや、ぜんぜん」
「は?」という顔をして答えられたが、嘘ではないなと感じられた。
すっかり梅宮家の「普通」になっていた生活スタイルだったが、世間的にはそこにツッコミを入れたくなったのだろう。バッシングはつらかったが、ここは耐えるしかないなと思って耐えていた。
でも、もっと辛いことが起きた。
仕事が減ったのだ。ある有名司会者がバッシングに乗っかる形で私に対してネガティブな発言をしたことで、「梅宮アンナはちょっと……」という空気が業界に流れてしまった。
「そんなに悪いことをしてたの?」
さすがに私もガクッと心が折れて、家族の前でボーッとしていたり、ソファやベッドでグデッとしている日が続いた。
「うつ病かなにかになったのかと思っていた」
当時の話をすると、百々果は必ずこう振り返る。
写真=鈴木七絵/文藝春秋
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