高市早苗内閣で財務大臣に就任した片山さつき氏が「文藝春秋」1月号で、ジャーナリスト・森健氏のインタビューに応じた。
元財務官僚で女性初の主計官を務めた片山氏は、史上初の女性財務大臣として約20年ぶりの“古巣”への帰還となった。政府債務残高1133兆円という厳しい財政状況の中で、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の難しい舵取りを託された。
この重要なポストを高市氏から託された経緯について森氏が訊ねると、片山氏は2021年のエピソードを明かした。
「当時、自民党が選択的夫婦別姓やLGBTなどについて、保守のラインを緩めてしまうのではと憂う仲間が安倍元総理をなんとなく軸にしながら集まったんです。大臣経験者の女性では高市さんと山谷えり子さんと私でした。安倍元総理はご存命でしたが、もし安倍さんが総裁選に出られないなら、高市さんが保守をまとめて出たらどうかと勧めたんです」(片山氏、以下同)
その後、片山氏のセミナーなどに来た高市氏が報道陣を前に、「高市早苗内閣になったら財務大臣は片山さつき」と公言するようになったという。
実際に任命されたときの心境について森氏が問うと、片山氏は次のように振り返った。
「約束を守る信義の人だなと。もし別のポストや何も打診がなかったらどうしようとも思っていましたから(笑)。同時に、高市さんは総裁になった瞬間『茨の道』だと表現しましたが、ならば私も同じ道だろうと。首相指名選挙の2週間ほど前から覚悟していました」
