「政治資金でキャバクラに支出 維新・奥下氏側、計9万円」(共同通信12月6日)
日本維新の会の奥下剛光衆院議員(大阪7区、当選2回)の資金管理団体が2023年、キャバクラとラウンジに計9万3500円を政治資金から支出していたことが6日、政治資金収支報告書で分かった。なるほど「身を切る改革」はカギカッコ付きで書かなければいけないのもわかる。
「最初から与党になりたかっただけと言われても仕方がない」
おさらいすると、維新側は連立の絶対条件として国会議員の定数削減を持ち出した。あのときの注目は企業団体献金への規制など「政治とカネ」だったはずが突然に。その理由にギョッとした。
《定数削減を突然訴え始めた理由について、維新幹部は「献金禁止は厳しいから」とし、論点を「献金禁止」から「定数削減」にずらす思惑もあると打ち明ける。》(朝日新聞10月18日)
論点をずらすと維新幹部が言っていたのだ。まさに「そんなことより」案件である。この一致にはなんだか妙な感動を覚える。維新は自民党の嫌がる話をしなくなった。最初から与党になりたかっただけと言われても仕方がない。
しかし定数削減を唱えた手前、今度は強硬な態度が目につくという現状なのだ。こうした流れに自民党会合で不満が渦巻いた。岩屋毅前外相は会合で「拙速で乱暴なやり方だ」と指摘した(朝日新聞12月4日)。
この記事が面白いのは次である。
《「俺だって言いたいことはあった。岩屋氏の100倍あった」。会合後、複数の出席者からこうした声が漏れた。》
「複数の出席者」の皆さん、だったら声に出してちゃんと言ったほうがいいですよ。自民党内の常識も今注目されている。ちなみに岩屋氏は「問答無用条項」と語ったというが、これは与野党の協議で1年以内に結論を導けない場合は、自動的に「小選挙区25、比例区20」の削減を決める仕組みを指す。
冒頭で紹介した読売新聞の社説もこの点に憤っていた。
《自動的に定数を削減する条項は、「身を切る改革」を掲げる維新の要求で盛り込まれた。与党入りしたからといって、自分たちの思い通りに物事を進められると思ったら、大きな誤りだ。》
民主主義にとって重要な選挙制度を拙速に問答無用に「身を切る改革」と称して推し進める。つまりこれって民主主義のピンチでは?
