東京大学70年ぶりの新学部としてCollege of Design〈カレッジ・オブ・デザイン〉ができる――。
発表以来、「全授業英語」「文理融合の学士・修士一貫の5年制プログラム」「秋入学・グローバル入試」など、東大の従来の学部とは一線を画す新しいカリキュラムに注目が集まっている。
「デザイン」と「Design」の違い
デザインというと、一般的には美大のように絵画や彫刻等を学ぶと思われるかもしれない。だが、東大の新学部が標榜する“デザイン”はそれらとは異なる。
「デザイン」と「Design」。この2つの言葉には日本語と英語の差にとどまらず、背後には、言葉の導入から発展までの歴史に影響を受け培われた、世界観や哲学の違いがある。前者では造形や意匠といった、美しさや芸術性が強調されてきたのに対し、後者では自ら問いを立て、目的を達成するための構造を作ることに重きを置く。
とすれば、College of Designが掲げる現代の社会課題の解決や、未来へ向けた新たな価値の創造は、「Design」により軸足をおくことでこそ可能になる。
ただ私自身、今、専門を問われれば、Designと答えるが、そこに至るまでには随分と遠回りをした。変わりゆく都市や農村における、人間と環境との関係を問い直すための方法論を考え、社会の新たな仕組みづくりへの貢献を目指してきたが、それとDesignという学問がなかなか結びつかなかったからだ。
進学先を探す中で見つけた「Design」
東大では、理科二類から、農学部国際開発農学専修、医学系研究科国際保健学専攻人類生態学教室と進学し、フィールドワーカーとしての基盤を築いた。
卒業後は研究先でもあったフィリピン北部の高原都市・バギオの少数民族カリンガの人々とEDAYAという団体を立ち上げ、失われつつある伝統の竹楽器の継承を目指し、エシカルな竹のアクセサリー制作から、竹と人と工芸と音楽をつなぐ場づくりに至るまで、プロデュースに奔走した。



