熊をはじめ鹿や猪などの獣害が深刻化している。気候変動による食糧不足、猟師不足、里山の過疎化などの逆境の中で、頼もしい女性猟師たちが奮闘中!(全4回中の4回目/最初から読む

中垣夏紀さん(左)と十秋さん ©深野未季/文藝春秋

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生捕りのジビエ料理を提供

「ジビエ肉は鮮度が第一」。全国のジビエ愛好者を唸らせているのが奈良県吉野郡十津川(とつかわ)村の中垣夏紀さん、十秋さん姉妹だ。

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姉妹が使う箱罠。くくり罠と併用する ©深野未季/文藝春秋

「私たちは鹿や猪を山で殺さず、生捕りにして、私たちの食肉処理施設に運びます。衛生管理の整った場所で処理から血抜き、内臓摘出まで10分以内。肉に臭みは一切ありません」(夏紀さん)

「じびえ井田」の井田弘氏が腕を振るった、希少価値の高い「鹿のレバー」、「鹿のサイコロステーキ」「猪の水炊き」 ©深野未季/文藝春秋

 ジビエレストラン「まると」を開業したのは2022年。同店は会員制(募集停止中)だが、奈良市の「じびえ井田」で姉妹のジビエ肉を堪能できる(金土のみ。要予約)。「農作物被害を抑えるために猪や鹿をお肉にした過程など、ジビエの背景を伝えたい」(十秋さん)との思いが強く、姉妹もカウンターに立つ。

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