インド・マイソール州で発生した「人喰い熊事件」。ナマケグマが市街近くに出没し、住民を次々と襲撃。少なくとも12名が犠牲となり、顔がグチャグチャで判別不可能になった被害者も。世界最悪の熊害、その後の熊の運命とは⋯⋯。宝島社『アーバン熊の脅威』より抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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インド中に広がった熊害
恐怖に陥った住民たちは、それまで数々の害獣を駆除してきた熟練ハンターのケネス・アンダーソンに熊討伐を依頼。しかしトラブルや油断のせいで、アンダーソンは熊狩りに二度失敗。その間、1カ月以上にわたり熊は住民たちを襲い続けた。行動範囲は州内全域にわたり、犠牲者は増えていく。
熊は昼夜を問わず出没するため、人々は農作業に出ることもままならなくなっていった。
その後、アンダーソンは三度目の正直でようやく愛用のウィンチェスターライフルの一撃により熊を仕留めたが、その間に36名の住民が襲われ、12人が死亡してしまう。
