中国北京で「抗日戦争勝利八十周年」を記念した軍事パレードが行われた2025年9月3日、中国国営中央テレビのライブ映像で、天安門楼上に向かう途中の、ロシアのプーチン大統領と習近平国家主席のやり取りが伝えられた。
「バイオテクノロジーの発展により臓器移植でどんどん若返り、不死さえ実現できる」(プーチン)
「今世紀中に150歳まで生きられるという予測もある」(習近平)
全世界に知れ渡った中露独裁者の野望に衝撃を受けたのは、強まる一方の言論統制、監視社会に絶望する中国改革派の知識人たちだ。彼らは、トップの「健康」「寿命」でしか現体制は変わらないと悲観している。しかし世界トップレベルの中国の臓器移植技術を用い、半永久的に権力を握り続ける野望を示したことで、彼らが日本をはじめとする海外に脱出する動きはますます加速するだろう。
日中間の「3つの非対称性」
習近平体制で明確になった、日中間の「ヒトの流れ」についての傾向がある。
(1)日本人は中国に行かないが、中国人は、移民、留学生、観光客として日本に押し寄せている。
(2)日本人には「中国人」は身近だが、「中国」のことを知らず、何が起こっているかも見えていない。
(3)訪日する中国の知識人や富裕層は、日本に好印象を持っているが、中国の「社会的敗者」は日本への憎悪や敵対心をむき出しにしている。
台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁(11月7日)に大反発した習近平政権は、対日威圧策を次々と打ち出した。自国民に対して日本への観光や留学を控えるよう要求し、訪日する中国人観光客数は確かに鈍化した。しかしこの「3つの非対称性」は基本的に変わらない。なぜなら3つの傾向は、習近平が「国家の安全」のため行う、情報統制や監視強化の結果だからである。
高市答弁を受け、中国共産党が「日本に軍国主義が復活している」と訴えても、日本旅行経験者はそんなナラティブや宣伝を信じず、知識人や富裕層は対日批判を冷ややかに見ている。日中関係がいくら悪化しても、習近平体制下である限り、「本当の日本を見て、触れたい」と、日本を観光したいという中国人は再び増えてくるだろう。



