本人がどこまで考えているかは分かりませんが、私たちが不可能と思っていることを覆す、誰も成し遂げたことのないことを達成する、そういった目的意識が大谷選手の力になっているようにも感じます。大谷選手の意思とチームとの折り合い次第でしょうけれど、まさかの登板も否定できません。

「大谷選手に、私たちはどこまで期待していいのか、期待しすぎていやしないか」

 そんな大谷選手に、私たちはどこまで期待していいのか、期待しすぎていやしないか――そう問われたら、私は「遠慮なく期待していい」と答えます。大谷選手に限らず、期待や注目、ファンに球場に足を運んでもらうことは絶対に選手の力になりますし、歓声の中でパフォーマンスを発揮してこそプロだと思います。

 また、本人のポテンシャルなどを考えても、大谷選手ほど期待していいと断言できる選手は稀です。一般的に、選手のフィジカルのピークは20代後半の頃なのですが、大谷選手の場合はいくらか後ろにずれているような気がしています。普段の生活や、食べているものもあってのことなのでしょうけれど、そういった辺りからも特別であると感じます。

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 2026年シーズンは、二刀流として真価が試される年になるでしょう。打者としてはすでに完成形に近い一方で、投手としてはまだ成長途上、つまり伸びしろが大きい。打者として本塁打王や打点王、シーズンMVPを獲得している大谷選手ですが、投手として最も名誉あるサイ・ヤング賞を狙いにいく可能性もあります。大谷選手もまずはチームが勝つこと、それを第一に考えているはずですが、打者としても投手としてもタイトルを総なめにする、なんてこともあり得るかもしれません。

◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2026年の論点100』に掲載されています。

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