この協定では一部の分野ではこの保証を「留保」できるとされていたが、当時の政府は不動産を留保しなかった。30年後に日本の不動産が爆買いされるなどとは想像しなかったのだろう。今となって外国人の不動産取得に日本が規制を行うと、加盟国からGATS違反として提訴されるリスクがあるというのが外務省の見解である。

 ただし協定には安全保障上の例外規定があって、いったん定めたことであっても安全保障上の理由があれば留保でき、実際にシンガポールやインドなどは締結時に留保していなかった不動産についてあらためて留保している。

 こうした状況下で、対処のしかたがいくつかある。まず、日本は不動産に対して、新しい方針を示すという意味も込めて、一部の不動産売買を日本人、外国人問わず規制すべきだ。

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 安全保障上留保すべき不動産として基地、原発、水源地、国境離島などの重要土地に加えて食糧安全保障としての農地、国土保全としての山林などを指定して、一刻も早くGATS協定から留保し、外国人による購入を禁止し、こうした土地を所有している日本人に対しては、売却したい場合は国庫への帰属を認めるような制度も同時に施行することで所有者の権利保全を行うことに留意すべきだ。

牧野知弘 オラガ総研より

在留外国人数は395万人、日本に住んでいる人は守られるべきだが…

 マンションや住宅など一般不動産については、外国人とひと括りにせず、在留外国人(居住者)と日本に住んでいない外国人(非居住者)に分け、在留外国人にはGATSで定める内国民待遇を保証し、非居住者による不動産投資には一定の制限をかけてみてはどうだろうか。

 在留外国人数は395万人に達し、不法滞在者は別として、日本で暮らし、税金を払っている。日本語が達者で社会に貢献している人もたくさんいる。日本人と同様に守られてしかるべきだろう。いっぽうツアーで日本にやってきて、ぽんとマンションを買って放置するような投資家には購入に際して制限をかけるべきと考える。