具体的には不動産の取得、所有、売却に関する課税に外国人特例を設けることを提案する。取得において参考にしたい例がある。シンガポールでは売買契約書に貼付する印紙を、外国人の場合は従来の2倍、物件価格の60%にしている。入口で確実に捕捉できる良い方法だ。非居住者に対しては固定資産税を上げる、事前に数年分を納付させるなどの方法も考えられる。
話題となった空室税はマンションを投機対象として居住用に使用せずに短期で転売する「転売ヤー」を規制しようとする意図がある。昨今都心部で分譲されるタワマンをはじめとした高額マンションの多くで、物件引き渡し直後から大量の売却住戸が中古物件サイト等に掲載されているが、所有者の多くが物件の売却益を狙った日本人を含めた個人投資家や不動産業者だ。
「投機熱を冷ます最大の劇薬」とは
実はこうした投機熱を冷ますのに最大の劇薬がある。バブル期に、期限付きで実施された超短期所有土地等に係る重課制度だ。1987年9月に行われた税制改正で、不動産所有期間が2年以下の譲渡に対して高率の税を課したもので、個人に対しては譲渡益に対して50%(個人住民税15%)か総合課税による20%割増課税のいずれか多い方を課す、法人に対しては特別税率30%の課税をするのだ。
この対策をもう一度行えば、外国人も日本人も平等に転売ヤーを排除し、投機的な動きを遮断することが期待できる。あくまでも投機の抑制が目的であるから時限立法でよいだろう。国は実効性の高い施策を早期に実現すべきなのである。
◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2026年の論点100』に掲載されています。


